風評被害ってなんだろうか

tantanmen

2011年03月23日 22:00

農作物が放射能に汚染されたという報道がなされた。
最初はほうれん草と生乳だったか。その後もいくつかの作物が被害にあったようだ。
そろそろ風評被害について話題が出てきている。

風評被害といって、思い出すのは、カイワレダイコンを頬張る現総理大臣の顔だが・・・・

そもそも風評被害ってなんだろう。
ネットで調べると、、
風評被害(ふうひょうひがい)とは、災害、事故及び不適切又は虚偽の報道などの結果、生産物の品質やサービスの低下を懸念して消費が減退し、本来は直接関係のないほかの業者・従事者までが損害を受けること。
とある。

風評被害という言葉を正しく使うとするならば、安全に支障は無いとはいっても放射能汚染されたほうれん草の返品は風評被害ではなく、それと一緒にまったく違う地域で生産されたほうれん草まで買い控えされだしたら、風評被害ということだろうか。

そういえば、先日朝のニュースで、汚染されたほうれん草を摂取しても安全だという根拠に、生乳なら何千リットル、ほうれん草なら何十キロという単位を摂取しなければ、問題の値まで行かないということを言っていた。

今のところ僕は、これを信じるべきかどうかについてはまだ検討していないのでよくわからないが、これを信用したとして、では、この商品は、出荷するべきだろうか。

結果的に政府は出荷規制を行っているし、すでに出回った商品は、大量に返品を受けているようだ。
僕は、これは政府や消費者の立場として正しい判断だと思っている。

目の前に、放射能汚染された(かもしれない)が、安全基準値以内のほうれん草と、そうでないほうれん草を並べられて、どちらを買うかと問われれば、迷わず後者を選ぶだろう。それが少し高かったとしてもそちらを選ぶ。
ほうれん草を買いたくても、産地がわからない状態なら、買わないと思う。それは、たとえ安全だとしても、念には念を入れてということであり、できるだけ安全側に行動する、非常に人間的な当然な判断だと思う。
今回の地震で、津波が来るかもしれないと疑った人は避難し、世界一の防波堤で守られているからとタカを括った人たちは被害に会ってしまった。もし、安全側に意識が働いていれば、助かったかもしれないのに。

だから、できるだけ安全側に行動する行為について、僕は仕方が無いと思うし、当然だとも思う。
その行為を、もし、「風評被害だ!」と言われるのであれば、それは違うのではないか。
正しい情報を入手し、自分が正しいと思った行動をとった結果、その商品が売れなくなるということが起こったとしても、それは風評被害ではなく、人間が身を守った結果だ。その場合、買わなかった人や、その情報を流した人(それが正しい情報であるなら)を責めるべきではない。
では、生産者は泣き寝入りで良いのかということでもない。これはこれで、政府なりがしっかりと守っていくべきだろうと思う。

最近、長野市に住んでいる人が、もっと西へ避難したという話を聞いた。これにはさすがの僕も閉口したが、しかしそれはそれでその人の判断だと思う。長野市は極端だとしても、福島県内に住んでいる人たちには、もっとたくさんの、しっかりとした情報を得て、自分たちで判断をしたほうが良いし、そうできる状況を、国や自治体は採るべきじゃないだろうか。それによって、福島県内に誰も人がいなくなったとしても、それはそれで仕方が無いことのはずだ。
ただし、与えられた情報が正しいかそうでないかについては、自分の判断がすべてだ。

いずれにせよ、まずは、正しい情報。判断に足りるだけの情報が必要だ。

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